小さな村の小さなダンサー

今年観た映画27作目

最近映画鑑賞欲が日に日に増している!いやぁー最高の映画をまたまた見つけてしまった!ミハイル・バリシニコフと並び、アメリカへ亡命してなお活躍した中国の名ダンサー リー・ツンシンの半生の実話を感動の映画化!!

小さな村の小さなダンサー [DVD]
オデッサ・エンタテインメント (2011-07-08)
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主人公のリーは、中国の田舎の大家族出身。毛沢東率いる英才教育の一環として、政府の舞踊スクールに抜擢され、家族と離れて11歳の頃から北京で過ごすことになる。しかし当時中国では芸能にも「政府的要素」を入れないといけなかったためいかに共産党が素晴らしいかの図をバレエで踊らされていた。疑問や葛藤を持ちながら、ある日18歳になったリーがアメリカへの「3ヶ月の交換留学制度」に選ばれ渡米することになる。そこで中国では考えられなかった「言論の自由」に魅了され、また交換留学先でもどんどん実力を発揮していった。

そんな中、バレエ団からの強い要請でリーの滞在延期を申請するのだが、リーがより西洋文化の影響を受けていくことを恐れ、当時の中国領事館はそれを却下し予定通り3ヶ月で帰国するよう命令を下したのだが。。。

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ストーリーの凄さに加え美しいバレエを十二分に楽しめて一石二鳥な映画だった。

元々アメリカや中国に住んだことがあったり、亡命問題には興味があったので、ずっと観れるのを楽しみにしていた映画の1つでもあった。この主人公のリーは今はオーストラリアに移住してバレエ舞台からは引退しているのだが、想像たる人生だったなぁーと思うと同時に、まぁ、映画しかみてないけど、彼は相当ラッキーな方だとも思った。アメリカや日本に留学しても母国に帰らざるを負えない人もたくさんいるし、私自身も特に中国やロシア、アラブ系、イスラム系の国や地域から来ている人達が「帰りたくない、帰りたくない」といって勉学や就職活動に励んでいたこともたくさん目にしてきた。むしろ、そうやって「留学できてる」時点で相当ラッキー。大半の人が国外にすら出てない国もまだまだたくさんあるだろう。だからリーは本当に運が運を呼び重なり合って大成功した例だと思う。

もちろん彼の努力や才能で勝ち取ったフリーダムではあるのだけど、ね。

内容、映像の美しさ、全てにおいてほぼパーフェクトなんだけど、強いて言えばラブロマンスの部分はもうちょっと頑張ってほしかったなぁ(彼が現実で)と思ったかなぁ。そこまで助けてくれた彼女と。。。みたいな女としての感想は正直あったかも。女ならではの感想かもしれないけどw

すっごくおすすめ!

本と同様、より広い視野を持てるためには、「違う世界を見る」ということが大事と思っているので、訪れたことのない風景を見れたり、日頃耳にしないような問題を考えることができたり、毎度毎度見終わってから「やっぱり見続けよう」と思わせてくれる。そんな近況で、改めて観てよかったと思える映画にまたまた出会えた☆しんどい時もあるけど時間を作ってこれからもどんどん積極的に観ていきたい。