刑務所なう。

今年読んだ本20冊目

ホリエモンの新刊。

刑務所なう。
刑務所なう。
posted with amazlet at 12.04.13
堀江 貴文
文藝春秋
売り上げランキング: 66

元々メルマガ読者だったのだが、収監されてからボリュームが圧倒的に少なくなったので退会した。いずれこういう本が出てくるだろうなという期待にやはり応えてくれたので、この本を買ってみた。内容はメルマガで紹介されてるのとほとんど同じ感じなので(前から日記みたいな形で日常のあれこれや書評や映画評なんかは紹介されていた)メルマガを読んでた頃みたいに懐かしく感じた。ほりえもんの「平等社会を目指す考え」だったり(というより努力や大して仕事してないものが搾取する構造が大嫌いなのである)、ベーシックインカムを推薦してるとこだったり、無駄が嫌いだったり、ずっと考えがぶれないなぁと思った。

また収監される前は「もう日本で起業なんてこりごり」なんて書いてあったけど、この本にはまたこれからもおもしろいことをしたいという気持ちが蘇ってきてるみたいなので、今後の活躍も楽しみになった。

1つ気がかりなのは「〜〜も悪いのに俺だけ捕まってる!」と何度も書いてあること。オリンパスカネボウ等の粉飾決済に比べたら、ライブドアなんてと思っているかもしれないが、「反省するとこは反省しないとだめ」と個人的には思う。「〜〜は捕まってない」というのは、小学生が先生に怒られて「〜〜君もやってたのになんで僕だけ怒るの」と子供が主張するのに似ている。でもそれは「悪いことをやった子供」が主張することが大事ではなく「ひいきしている先生やそういう不平等が出てしまう評価制度に問題がある」のと同じ。それはあくまで「先生」や「学校」の問題なのだ。下される罰は罰、で別である。金額はどうあれ、1円でも騙した(というかほりえもんの場合、従業員が詐欺行為を行っていたことに『知らなかった、把握していなかった、会計士もOkだした』と主張しているのだが、個人の小銭を巻き上げている上場という形を取った一企業として、その社長として、「悪いことをやった、あるいは見過ごしたことには変わりない」という責任を肝に銘じなければいかないと思う。実刑が下されたことには他の経営者が逃げ切れていることを見れば絶対的に陰謀の仕業ともいえるのだが、それでも「反省はしないといけない」のだと私は思う。いつも「僕は悪くない」と言わんばかりなのはちょっとどうかなぁと思う。こういうときっと「ほら、刑務所にも逃げずに入ってちゃんとやってるからいいだろ」とも聞こえそうだけど、根本が違う。オリンパスなんかに実刑が下されていないのは「国の問題」であって彼の問題ではないのだ。

ちょっと強く言いすぎたかもしれないが、これまでほぼ全部ほりえもんの本を読んできて、さらに今回の一冊でこういう考えに固まったので書いてみた。