英国王のスピーチ コレクターズ・エディション
今年観た映画2作目
テクニックや専門性よりも「心の問題解決」がどれだけ大切かということを思い知らされる一作だった。
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舞台は第二次世界大戦前の英国。父の死をきっかけに王座に就いた兄が、突然米国の離婚歴がある女性と再婚したいといいすぐに辞めてしまうとともに、その代わりに後を継がないといけなくなったジョージ6世。
子供の頃のトラウマのせいで吃音からスピーチ恐怖症になってしまった夫を、妻のエリザベスがライオネルというスピーチ矯正専門家に改善を依頼するところから始まる。王室にいるものだから、もちろんそれまでも何度も何度も、優秀で実績のある専門医達を招いては改善に努めたのだが、一向にうまくならなかった。しかしライオネルは「心を寄り添う」ということに治療の重点をおいていた。相手の心を理解していないと、いくら技術的なことで自信があったとしても根本からの改善は見込めないのだ。
「スピーチができない王様」と馬鹿にされてたジョージ6世だが、ライオネルとの出会いのお陰で勇気と自信を少しずつ、少しずつ取り戻していった。
所々主人公に同情してしまい心苦しくなったが、熱心にめげずに誠実にジョージ6世に寄り添うライオネルや、陰ながらずっと彼を認め、信じ、見守っていた妻のエリザベスの人間性に感動した。
相手に寄り添い、いかに「心の問題を解決していくこと」がどれだけ表向きの成果として現れるかを証明してくれるような作品だったと思う。
必ずしもベストプレーヤーがベストコーチにならないのと同じように、実用性と心のサポートという役割はもしかすると本当の専門性やスキルなんかより重要なのかもしれない。
物凄くいい映画だった。