プレシャス

今年観た映画60作目

ニューヨークで家族から虐待を受けてそだったプレシャスが、家族から独立して巣立っていくというお話。レイプされる場面とかも堂々と流していて、ある意味「リアル」過ぎて怖すかったのですが、何度か止めながら、きちんと直視できるようがんばりました。

プレシャス [DVD]
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貧困が、教養のなさを悪化させ、さらに貧困を悪化させという悪循環の中で過ごす崩壊家族の話。その中で、父親にレイプされたプレシャスが子を身籠り、学校も退学になり、、、辿り着いたのは、普通の学校に行けなかった問題児達のフリースクール。文字の読み書きもほとんどできなかったプレシャスがそこで初めて学ぶことの楽しさ、自分を表現することの楽しさを学んでいく。文字の読み書きを学ぶことができたので、それを使い、自分を表現することができるといういいサイクルにプレシャスが入ってきて、やはり自分の家族は間違っていると主張できるようになる。。。全くのゼロから彼女をどん底から助け上げる先生と、ソーシャル・ワーカーが、彼女を世代にわたる「負のサイクル」を止めようとする。。。

問題の根本は、生活保護の仕組みだったり、貧困だったり、全てにおいて深く深く複雑に絡み合っているのだけど、それでこぼれて出てきた子達を救う学校もすごいと思ったし、その現場で「底辺」のサポートをしている人達も本当に頭が下がるなと思いました。

個人的にはプレシャスの兄弟も気になるんだけど、、きっと彼女がまた勉強して大きくなってより多くの人達を救ってくれるんだろうなと希望を持ちました。父親と母親をすぐにでも捕まえて処刑にでもしたいのだけど、社会全体としてこの根深い問題を根本から、長期的になおしていかないと解決しないんだろうなと悲しくなります。

でも草の根運動している人も現にたくさんいるので、そういう活動や団体を応援しつつ、自分自身もまずはこういった問題を学ぶことから始めていきたいなと思いました。重いけど学びが多い、いい映画です。頑張って観て観てください。

P.S. ガボレイ・シディベ は、ペントハウスからめちゃくちゃいい女優さんが出てきたなーとこの映画を観るのも楽しみにしていました。Wikipedia情報によると、なんと、このプレシャスでデビューした女優さんでした!25歳でデビュー。凄すぎます。。デビュー映画でこの内容でのこの演技。。。大物過ぎますね。彼女自身もニューヨークのハーレム(という貧困層というか、治安が悪い地域)で育った経験があったので、ぴったり役にはまるところがあったのかもしれませんね。。 今後も大注目です。