キッズ・オールライト

今年観た映画47作目

ゲイものストーリーは結構好きなので、映画予告で見つけて借りてみた☆ 「レズビアンカップルファミリー」という真新しい設定何だけど、観る前から「ママが2人って全然問題ないかもね、パパが2人より。元々母性とかあるし」となんとなく意見を持っていた私。普段暮らしていても父子家庭より母子家庭の方が明らかに多いから、そこまで抵抗はないけど、実際ゲイカップルでの子育てはみたことなかったので興味津々だった。いいか悪いかはまだ今の私には判断できないけど、世の中は確実にゲイへの寛容が広がり、このようなファミリーの形が増えていくのかもなぁと思った。実際アメリカなんかではちらほら聞くしね。

スパムドナーから精子をもらって子供を2人授かったレズビアンカップル。子供もすくすく育ち、円満な家族だったが、年頃になった子供達が両親に内緒で父親を探しあて、接触して行く。始めはぎこちない様子もあったが、この平和なファミリーへ父親が参入し、ある意味いろんなところでネジが緩んでくる。。。

最後に母親(レズの男役−日本語で言うとオナベかな)のニックがその父親に(というよりスパムドナー)発した「If you want a family, make your own」が印象に残った。「そんなに家族が欲しいならまず自分の家族を作れ」という訳。そりゃ普段フラフラ本当の愛とは無縁に生きてた人間の前に、あんな温かいファミリーや子供達が突然現れたら愛情深く惜しくなっちゃうよなぁと思う。やっぱりある日突然愛なんて降ってくるものじゃないと、最後にニックが教えてくれたんだと思う。これまで子供が15,18歳になるまで仕事を頑張って愛をはぐくんで今の彼女達のファミリーの形や子供達の純粋さや性格があるからね。だけど、そんな固い絆なはずなのに、ひょんなきっかけで軽く壊れたりするので、本当に人って、人との関係ってもろいんだなぁーとも感慨深いものがあった。愛や絆はある意味大半が偶然の重なりであって、必ずしも固いものではないのかも。今まで結婚制度なんかは反対だったけど、この映画を観てそういった弱い人間達を束ねるため、各個人の理性を出来る限り保ち続けさせるため、にはもしかしたらいい制度なのかもしれないと今更考えてみた。

そしてこの映画で言いたかったこと全てを集約している「キッズ・オールライト」(The kids are all right)というタイトル名。どんな親や環境でも愛情を注ぎ、子供ときちんと会話し向き合っていけば、子供は大丈夫なんだ、という深い意味が込められていた。

役者として、アネット・ベニングミア・ワシコウスカマーク・ラファロがさすがだった。

全然関係ないけど、最後の大学に行くシーン、自分の大学時代を思い出して懐かしい気持ちになった。青春だなぁ。。

まだまだ馴染みのない家族の形なのでそういうのを知るということと、単純にヒューマン映画を観たい人にはぜひおすすめ。