慶應幼稚舎

今年読んだ本11冊目

TBS系の深夜番組マツコの知らない世界をきっかけに知った著者。元東大医学部卒、外資系金融出身で今は「お受験業界のプロ」とうたっている石井至さんの、「慶応幼稚舎」に絞って書かれた一冊。知り合いが今年受けたいと言っていることと、ここで読んだ本を記録している通り「子育て」や「幼児教育」に関してとても興味があるのでこちらも読んでみました。

慶應幼稚舎 (幻冬舎新書)
石井 至
幻冬舎
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慶應義塾創立者福沢諭吉の歴史から、お受験業界の光と影、入学までの準備方法、自身の子供を受験させた体験談等が主な内容になっています。イメージが先行している「慶応幼稚舎受験」に関して、結構慶應に通わすことの「デメリット」も包み隠さず書いてくれているような感じがします。例えば、
1.小学校6年間同じクラスメイトに同じ担任であること
2.親の職業や「入学の経緯」によってクラス分けがされること(K組は親や祖父母も幼稚舎出身の子、E組は開業医の子等)
3.勉強には力を入れていないこと(学力の向上はそれぞれの家庭にまかされている)
4.ストレートとはいえ慶應大学には半分がいかない
5.幼稚舎出身の9割は中学以降成績が下位

などなど言っちゃってもいいのかという内容を特に「いい」「悪い」と言及するわけじゃなく、淡々と述べていました。

また受験対策も正しい方法が書かれており、あれよこれよパニック状態になりながら無駄な動きをしてしまう母親は必ず読んだ方がいい内容です。

個人的には幼児期の受験に関しては基本アンチなんだけど、毛嫌いせずに「もしかしたらいい教育をしてるのかな?」という気持ちで読みました。

まだ「いい」か「悪い」か判断はできていませんが、親としては「より良い学校に行ってほしい」というのはごく自然な発想で、その一環としてお受験業界、そして慶応幼稚舎の教育方法をのぞいてみる、にはとてもいい一冊だったと思います。

強いて言うなら、著者のお子様は慶応幼稚舎は落ちてしまったみたいなんだけど、これで受かっていればより説得力があったかなぁと思いました。

ただそこらへんにあるぼったくり塾とは違うと思うので、お受験に興味のある方は著者の経営しているアンテナ・プレスクールとうお受験スクールのHPを見てみてください。